心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は初春が旬の「はっさく」をピックアップ!ー今月の旬食材ーはっさく江戸時代に、広島県にある因島で偶然発見されたはっさく。はっさくが出回るのは1月中旬〜4月下旬。一番おいしい時期は、2〜3月と言われています。はっさくは「八朔」と書きますが、これは旧暦の8月1日のこと。1日を朔日と呼んだことから名付けられましたが、旬は8月ではありません。美容に関わるビタミンCやナリンギン、便秘解消に効果的な食物繊維など多くの栄養を含むフルーツです。
はっさくの主な栄養素は?ビタミンC抗酸化ビタミンのひとつとして知られるビタミンC。体の酸化を防ぐ働きや、コラーゲン生成を助ける働きがあります。
カリウムミネラルの一種であり、ナトリウム(塩分)の体外排出、筋肉の収縮、血圧の上昇を防ぐサポートをしてくれます。
カルシウム人体に最も多く含まれるミネラルであり、骨や歯を形成します。
アスパラギン酸アミノ酸の一種。疲労物質である乳酸の分解や、たんぱく質の合成を促し、疲労回復に役立ちます。
ナリンギンポリフェノールの一種ではっさくの苦味成分。ナリンギンには食欲抑制作用や抗酸化作用、他にも血管を丈夫にし、血流を改善してくれる効果があると言われています。
クエン酸クエン酸は柑橘類に共通して多く含まれる成分。体内でのカルシウムの吸収を助けたり、炭水化物の代謝アップを促すなどの効果があると言われています。
ビタミンPはっさくの袋や筋の部分に多く含まれるヘスペリジンはビタミンPの一種でビタミンCの働きを助け、ビタミンCの抗酸化作用をサポートしてくれます。
はっさくの栄養を効率よく摂取する方法はっさくには抗酸化作用が期待できるビタミンCがたっぷり含まれています。ゆでたり水にさらしたりすると栄養が流出しやすので、加熱調理をせず皮をむいて生でいただくのがおすすめ。薄皮部分にも栄養はたっぷり含まれているので、薄皮はむかず果肉と一緒に食べるのがグッド。
また、はっさくのクエン酸はカルシウムの吸収をサポートしてくれるため、カルシウム豊富なヨーグルトなどと合わせていただくと食べ合わせがよいです。
美味しいはっさくの選び方はっさくを選ぶときのポイントは、
・色が明るいだいだい色・ヘタの部分がきれいな緑色・ハリとツヤのあるもの・手で持ったときにずっしりと重いもの・柑橘のいい香りが残っているかどうか
をチェックしましょう。茶色い部分がある場合は、鮮度が落ちている可能性があります。
はっさくの保存方法<室温保存の場合>はっさくは皮が暑いので長持ちしやすいのが特徴。室内保存をする場合は、風通しのよい冷
暗所に置いておくとよいでしょう。
<冷蔵保存の場合>室温が高いときは、冷蔵庫の野菜室で保存を。ビニール袋に入れて口を閉じ、乾燥を防いで。
<冷凍保存の場合>長期間保存をしたい場合は冷凍保存も可能。皮と薄皮を取り除き、果肉だけを保存袋に並べ、空気を抜いてから冷凍庫へ。半解凍すれば、シャーベットのような味わいに。ジャムなど加熱殺菌するとより安心です。
暖かくなるにつれて、柑橘類のフルーツが美味しくなってきます。ビタミン豊富で、美肌や免疫力アップにもつながるので、朝食や食後のフルーツとして楽しんでみましょう。
<参考文献>旬の食材百科文部科学省「食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/(かんきつ類)/はっさく/砂じょう/生伊藤農園「みかんな図鑑」