心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は春から初夏にかけてが旬の「そら豆」をピックアップ!―今月の旬食材―そら豆春から初夏が旬のそら豆。そら豆は人間に必要な栄養がまんべんなく含まれているスグレモノ。特に亜鉛の含有量は野菜の中でトップクラス!そら豆の原産地は諸説ありますが、北アフリカからカスピ海沿岸といわれています。その歴史は古く、世界最古の農作物ともいわれ、人々の体を支えてきました。
そら豆の主な栄養素は?亜鉛細胞や酵素の中にあり、タンパク質やDNAを作り出す反応や免疫に関わります。
鉄分血液中にあり、全身に酸素を運ぶヘモグロビンのもと。欠乏すると貧血の原因になることも。
タンパク質100gあたり10.9gの植物性タンパク質が豊富に含まれています。
ビタミンCビタミンCはコラーゲンの合成にかかわるビタミンで、皮膚のシミやシワを防ぎ、傷や炎症の治りをよくしてくれます。また、活性酸素を消去する抗酸化作用があります。
ビタミンB群ビタミンB1、ビタミンB2が多く含まれています。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復に効果的。ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えて、皮膚の健康と身体の成長を促してくれる作用があります。
葉酸ビタミンB群の一種である葉酸。赤血球をつくり、食べたものをエネルギーに変えるのを助ける役割があります。
カリウム余分なナトリウムを排出することで、高血圧やむくみ予防を改善。
食物繊維食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられますが、そら豆は特に豊富なのが、不溶性食物繊維。不溶性食物繊維は便秘の改善に効果的。腸内の水分を吸収することで、便のカサを増やして排便をスムーズにしてくれます。
そら豆の栄養を効率的にとる方法購入したら3日以内に食べるそら豆は鮮度が落ちやすく、おいしい期間は3日といわれています。鮮度が落ちると栄養素も減ってしまうので、購入したらできるだけ早めに食べましょう。
薄皮ごと食べる薄皮には食物繊維が豊富に含まれているので、薄皮ごと食べると効果的。皮ごとミキサーでつぶしてポタージュにするのもおすすめ。
茹で汁ごとスープで食べるビタミンB群やビタミンCは水溶性なので、茹でてそのまま食べられるスープも◎。
焼く、揚げる、蒸す前述同様、そら豆は水溶性の栄養素を多く含むため、素揚げにしたり丸焼きにしたり、蒸したりしても無駄なく栄養素を摂取できます。
ゆでる時間は短めにそら豆は塩ゆでするのが定番ですが、ゆでると水溶性の栄養素が逃げてしまうので、ゆでる時間は短時間でゆでることがポイント。2〜3分を目安でゆでましょう。
新鮮なそら豆の選び方そら豆は鮮度が落ちやすいために、いかに新鮮な状態で購入するかが大事。
選ぶポイントは、
・さやに入っている・緑色が濃く、ツヤがある・粒がそろっている・ふっくらしているなど。
さやをむいてまめだけ販売されているものもありますが、空気に触れると鮮度が落ちてしまうので、さやつきのものを購入するのがおすすめ。調理直前にさやから取り出すと、より美味しくいただけます。
そら豆の保存方法そら豆をすぐに食べられない場合は、鮮度を保つために冷凍保存がおすすめです。
<さやごと冷凍保存>さやつきのまま保存袋に入れて、空気を抜いてから封をし、冷凍庫で保存。食べるときは凍ったままさやごと魚焼きグリルやトースターで焼いたり、たっぷりの湯でゆでて解凍を。
<さやから豆を出して冷凍保存>さやから出して、豆だけを生で保存する方法。さやから出して、豆を取り出し、割れ目がある部分の反対側に包丁で浅く切り込みを入れる。保存袋に入れて空気を抜いて封をして、冷凍庫へ。
<豆をゆでて冷凍保存>あらかじめゆでてから冷凍保存しても。そら豆はさやから取り出し包丁で切り込みを入れて硬めに塩ゆでを。ざるにあげてしっかり冷まし、水けをふいてから保存袋に入れ、空気を抜いてから封をし、冷凍庫へ。
3日以内に食べるときは新聞紙などで包み、冷暗所で保存を。
シンプルな塩ゆでや丸焼きのほか、ほくほくの食感が楽しめる炊き込みご飯もおすすめ。リゾットやマリネ、旬な野菜と炒め合わせたりとさまざまなレシピで初夏の味わいを楽しんでみて。
<参考文献>まごころケア食シンクヘルスブログ