2024/08/27

from BIOPLE

マシンガンズ・滝沢秀一さん「日本はあと何年ごみが捨てられるか、知っていますか?」

お笑い芸人でありながら、ごみ清掃員としても働く滝沢秀一さんのBiople FESでのトークショーを徹底レポートします。


「日本はあと何年ごみが捨てられるか、知っていますか?」
マシンガンズ・滝沢秀一さんのお話はこの一言から始まりました。

元々は家族を養うためにごみ収集会社に就職したそうですが、自身の立場を持ってごみや環境問題をテーマにした著書を次々に出版し(累計発行部数は15万部以上!)、イベントでの講演活動なども精力的に行っています。

冒頭で滝沢さんが投げかけた問いの答えはというと、せいぜい「23、4年」だそう。一人1日当たりのごみ排出量は880グラム(一般廃棄物の排出及び処理状況等について※令和4年度|環境省)。このペースでごみを廃棄し続けていると、ごみを埋める場所がなくなり、日本ではごみが捨てられなくなってしまうという危機的状況なわけです。
この事態をまずは知り、ごみを減らす努力をする人が少しでも増えるようにと、お話いただきました。


分ければ資源、混ぜればごみ
「ごみは何種類に分けられると思いますか?正解は2種類。燃えるか燃えないかです。ごみは燃やしたら灰になって最終処分場に埋められます。それ以外は資源ということ。要はリサイクルなど、また使われるのであればごみではないんです」

つまり、ごみを”分ける“ということが大事なのだと話します。

「ごみを減らして分別することが大事ですが、ルールだから分別するのではなく、分別したあとにどのような世界になるのかを想像することが大事だと思います。
分ければ資源、混ぜればごみだったりするので、資源として出さないと活用できなかったりもします。
僕には『砂に黄金、泥に蓮』という座右の銘があります。砂の中に金が入っていても、ぐちゃぐちゃに入って入ればごみですし、泥の中でも蓮は咲き誇ります。やはりちゃんと分別することが大事なんですよね」


可燃ごみの話
「メモ帳やカレンダーなどをドサっと集めるとものすごい量になりますよね。これ、可燃ごみではなく古紙の日に出すともう一度使えるんですよ。出す日を変えるだけ。これを1年やるだけでも違うと思いませんか?それを100人がやったら?
環境問題はちりつもなんですよね。みんなでちょっとずつやることが大事」



生ごみの話
「続いて生ごみの話ですが、コンポストを知っている人も少しずつ増えてきているようですが、結構手軽にできるんですよ。ホームセンターで700円くらいで購入できるプランターの中に、210円くらいで購入できる黒土を入れるだけ!
生ごみって、汁を絞らない人が多いんですよね。実はキムチの汁なんかがビシャッとあると大変なんです。でもコンポストの中に生ごみを入れるだけで、バクテリアや微生物が生ごみを食べてくれ、たい肥になり、ごみ汁も生まれないで済みます。夏場の臭いも気にならないので、是非やってみてください」



揚げ油の話
「唐揚げを作った後の油はどうしていますか?固めて捨てる人も多いですよね。でも揚げ油をペットボトルに入れたら受け取ってくれるところがあります。それがディーゼルエンジンになり、清掃車や石鹸になったり…。大切な資源にできるんですよ」



捨てづらいごみの話
「ごみ清掃員としては、捨てづらいごみがあります。例えば、袋に入れられたぬいぐるみ。なんかかわいそうですよね。特に春先になると捨てられていることが多いんですが、これも資源になります。セカンドライフに寄付することができ、喜ぶ人がいるんですよ。
そして皆さんきっと迷うのは、カイロ。多くの地域は不燃ごみなんですが、カイロは活性炭だから水を浄化するものになるんです。ヘドロを分解したり、農薬の混ざった水をきれいにする効果があるそうです。ネットなどで送り先を調べて送ってみてください。もちろん郵送費はかかりますが、ちょっと楽しい気持ちになりますよ。これからはごみにお金をかける時代です。
断捨離後にものすごい量が捨てられるハンガーはどうでしょう。クリーニング屋さんが受け取ってくれることがあります。
簡単に捨てられえないパソコンやiPadはどうしていますか?時間が経つと液漏れしたり、バッテリーが膨らんで火が出ることもありますが、箱に入れてパソコン無料回収に送ることができます。中身を消去した証明書を出してくれますよ。
ボールペンや歯ブラシも回収ボックスがあったり…
どんなものでも気持ちよく受け取ってくれるところがあるので、是非調べてみてください」



化粧品の話
「最後に、ビープル好きの皆さんに、化粧品系の捨て方についてお話しします。例えばマニキュア。うちは子供が100円ショップで買うんですが、2,3回使うだけの場合があるんです。でも中身が入っているものを瓶で捨てても受け取れないんです。ペットボトルもそうですが、”中身入り“が一番困ります。結局人の手によって中身を全て取るんです。だから捨てる前に要らないタオルに中身を出して、そのタオルは可燃ごみにしてください。残った瓶は汚れている場合はリサイクルできないので不燃ごみになります。
鏡がついているファンデーション、捨て方がわからなくて家に貯めている人も多いのでは?実は9割ルールというのがあるのですが、アイテムの大体が燃える素材であれば、一部燃えないものがついていても可燃ごみに出して良いんです。細かくは自治体にもよるので、確認してみてください。スポイトのついているオイル瓶もそうですね」


皆さんいかがでしょう。当たり前のように自治体やマンションのルールに従ってごみを出している方がほとんどだと思いますが、ちょっと調べるだけで「資源」になるものが多くあります。少しでもごみを減らすことで、私たちの未来は大きく変わるのではないでしょうか。

滝沢さんの言葉のとおり、どのような世界になるかを想像し、「分ける」ことを意識した生活をしてみませんか?



滝沢さんトークショー出演決定!
最後皆さんに嬉しいお知らせです。
Biopleで人気のアイテムや新商品が集結するイベント『Biople FES 2024 OSAKA』の開催が決定しました。9月11日(水)~16日(月・祝)の6日間、阪急うめだ本店 9階 祝祭広場で行われます。
そこで!滝沢さんが9月16日(月・祝)13時からトークショーに出演してくださいます。気になる方は是非お越しくださいね。


滝沢秀一/お笑い芸人兼ごみ清掃員 @takizawa0914
1976年、東京都出身。
東京成徳大学在学中の1998年、西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。
2012年、妻の妊娠を機に、ごみ収集会社で働きはじめる。
ごみ収集の体験をもとにSNSや執筆、講演会などで発信し話題に。
2018年、エッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)を上梓したあと、漫画『ゴミ清掃員の日常」(講談社)、『ごみ育』(太田出版)など現在までに15冊出版。
2020年10月、環境省『サステナビリティ広報大使』に就任。
2023年5月、コンビとしてフジテレビ『THE SECOND~漫才トーナメント~』にて準優勝。