2020/03/25

REMEDY

安藤美冬(miffy)さんがSNSをやめたら起きた、驚きのシンクロや気持ちの変化

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ノマドワーカーの元祖でもあり、作家・コメンテーターとして活躍している安藤美冬さんことmiffyさんの全3回コラム連載。第2回目は、「SNSをやめたら起きたこと」がテーマです。

連載第1回目はコチラから!

SNSをやめたら起きたこと
7、8年、日々の中心に置いてきたSNS。さすがに一気にデトックスすることは難しかったので、段階的に離れていく計画をとりました。

第一段階:利用時間を制限する
第二段階:スマホからアプリを削除する
第三段階:アカウントを削除する

まずは第一段階として、利用時間を減らしました。

・朝起きてからの1時間と寝る前の1時間はデータ通信機能をオフにする
・緊急の連絡が入りそうにない日は、午前中だけ見ない
・思い切って、終日スマホを持たずに外出してみる

こんな風に、じわじわと「SNSを見ない、やらない」ことに慣らしていきました。
第一段階を「SNSでは発信だけする」という方法もあります。自分は発信するけど、人の投稿はもう見ない、あるいは、発信をやめて、人の投稿だけを見る、というように。いずれも一方通行のコミュニケーションで、少し寂しいような気もしますが、なんにせよ、SNSとのつきあい方にルールを設けるのはオススメです。

第一段階から半年が経ち、「SNSを見ない、やらない」ことに慣れてきた頃、スマホからSNSアプリを削除しました。これは効果テキメンでした。
SNSへのアクセスはPC(やタブレット)に限られるのですが、パソコンを毎日持ち歩くことのない人にとっては、著しく制限をかけることができます。私の友人には、LINEやメッセンジャーなど連絡を取り合うためのアプリさえ、スマホから削除する人も出てきました。そうすると自分の時間により集中できるからだそうです。



第二段階になると、「SNSを見ない、やらない」ことが自然なサイクルになってきました。そうして1年半ほど経ったあと、アカウントを削除。SNSを完全に離脱したのです。

SNSをやめたいと思っていても、私のように思いきれる人はごく少数かもしれません。救済措置として、Facebookなどの一部のSNSでは猶予を設けています。
勢いに任せてアカウントを削除しても、1〜2週間くらいの猶予期間の間に復活できますのでご安心ください!

余談ですがFacebookをやめても、メッセンジャー機能は使い続けられます(ただし、やりなおしになるので、再びメッセンジャーで知り合いを検索し、メッセージを送り直さなくてはいけませんが)。
もちろん、SNSとどうつきあいたいか、その距離感は人それぞれなので、度合いを試してみて、最も心地よく感じる距離で楽しむのが一番かと思います。


SNSをやめたら、何が起きたのか?



SNSをやめたことで、「自分と二人きり」の時間をもてたことや、日常の何気ないことにも感動する幸せで穏やかな心を取り戻せたことは、前回のコラムに書いた通りです。
そのほかに、最も驚いたことがあります。それは、情報や人とのつながりが、思わぬところからやってくるようになったことです。
 
6人介せば、世界の誰とでもつながれるという「六次の隔たり理論」があります。例えばFacebookの友達リストのおかげで、意外な人が友達の友達だった、と判明するのはよくあることです。ネットは、私たちに人とのつながりやチャンスをもたらしてくれるツールでもあります。
私がSNSをやめる前に最も怖れていたのは、こうしたチャンスやつながりを失うことでした。

確かに最初のうちは、人とのつながりの大半を失い、仕事も比例して激減したのですが、次第に “不思議な偶然” が頻繁に起こるようになりました。具体的に挙げてみます。

・友人と昼ご飯を食べていると、かつて仕事をした男性クリエイターの名前が出た。久しぶりに会いたいなと思いつつ、体力づくりのために通っている近所のプールに行ったら、そこに彼がいた。連絡先を交換でき、交流が復活した。

・Amazonプライムが配信している某番組にハマる人が続出。ある晩、急に興味が湧いてこの番組を検索してみたところ、ある男性出演者が気になって仕方なくなる。すると翌日、企業から一通のメールが。なんとその男性出演者との対談依頼だった。対談が終わっても、仕事をしたり、知り合いを紹介しあったりなどご縁が続いている。

・シンガポールで講演をやりたいと思っていたら、その時に一緒にいた女性作家さんにシンガポールでの講演依頼がきた。私は対談相手として、一緒に登壇できることになった。

・イタリアのベローナ(ロミオとジュリエットの舞台となった街)に行ってみたいなと思っていたら、某イタリア人ピアニストとのトークショーのオファーがあり、そのご縁で夏に仕事でベローナへ招待してもらえることになった。

・書店で気になる本を見つけたものの、さんざん迷って結局買わなかった。すると、直後に電車でその本を読んでいる人を見かけた。それでも迷っていたら、今度はふと立ち寄ったサウナで別の女性が持っているのを見た。1時間に何回も目に入ったので、これは大事な情報かもしれないと思って買ってみたら、最近気がかりだったことへの解決策が書いてあった。

このように、早ければその日のうちか数日以内、遅くとも数週間のうちに、ドンピシャのタイミングで必要な人との出会いや情報、仕事までもがやってくるようになったのです。



もちろん、基本は人との関わりある社会生活ですから、SNSをやらない時期でも、急いで何かを調べなければいけない時や仕事では、必要に応じてネットを使っていました。でも、あまりネットに頼らずとも、たいていのことは完璧なタイミングで、まるですべてが、「あるべきところに、きれいにおさまっていく」かのようにやってきました。

こうした体験をして、私は自分からむやみに人からつながろうとしなくなりましたし、情報をたくさん得ようとすることもやめました。
「すべては、必要な時に、必要な分だけやってくる」そんな人生観が少しずつ芽生えています。
 
情報を例にとって、私の考えを述べます。

私たち人間は情報にあたるとき、「これがいつ必要になるのか」は分かりません。「いつか使うかもしれないから」と、せっせと情報を自分に貯め込んでも、モノと同じで、「結局、使わなかった」となりがちです。
そもそも私たちは、情報の多くを忘れてしまいます
より高い質の情報を、より早く、より多く得なければならない、という現代的な考え方の根底には、「不足感」があると思うのです。
今の自分には何かが欠けているから、情報は大量に得て、リスクヘッジをする。
すべては不足感から出発しているから、「自力で努力して穴埋めしていかなければ」と自分を駆り立て、結局、情報に溺れて疲れ果ててしまう人が絶えないのだと思うのです。

もっと肩の力を抜いて、この世界を「信頼と満足のメガネ」で眺めてみる。
目の前に起きること、やってくるものを、ただ楽しむ。

そこには人との競争はない、すべてがお膳立てされた、ちょうどいい世界があるように思います。

ーー
SNSが欠かせない時代だからこそ、一度離れてみるだけで、本来備わっている自然の力というものに改めて気づくことができるかもしれません。最終回の次回は、「SNSと心地よくつきあうために大切なこと」についてお話いただく予定!



安藤美冬(miffy)
1980年生まれの情報発信者、著者。慶應義塾大学在学中にオランダ・アムステルダム大学に交換留学を経験。株式会社集英社勤務を経て独立。SNSから2年ほど離れた充電期間を経て、2020年春から本格的に発信活動を再開。ただいま音声配信アプリhimalayaにて、人生相談コーナー「miffyのコーヒーブレイク」を毎朝7時に配信中。「情熱大陸」「NHKスペシャル」などメディア出演多数。著書に『冒険に出よう』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『未来を動かす』(Voice)、『ビジネスパーソンのためのセブ英語留学』(東洋経済新報社)、『会社を辞めても辞めなくてもどこでも稼げる仕事術』(SBクリエイティブ)などがある。

公式ブログ
毎朝7時、音声配信中

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